運送会社はホームページくらい用意しようよ...

先日、秋元通信に「ホームページが必要な理由」という記事を書きました。
そもそも、会社にWebサイトは必要なんでしょうか?

そもそも、運送会社にWebサイトは必要なんでしょうか?

 

この記事を書いた経緯をご紹介しつつ、本記事を振り返りたいと思います。

「ホームページが必要な理由」、記事を書いた経緯

秋元運輸倉庫「秋元通信」 『ホームページが必要な理由』

http://amlogs.co.jp/?p=5075

 

2018年6月にメルマガ「秋元通信」で配信した記事です。

この記事には、実は前振りがあります。

 

秋元運輸倉庫「秋元通信」 『ホームページで集客を成功させた運送会社』

http://amlogs.co.jp/?p=817

 

2014年10月に「秋元通信」で配信した記事なんですが、実はこの記事、とてもアクセスが良く、4年が経過した今でも、検索エンジンからがんがんアクセスが入っています。

ホームページで集客を成功させた運送会社』は、私が飛び込み営業でたまたま訪問したある運送会社のエピソードを書いています。

 

家業を継ぐのが嫌で、家業とはまるで違う仕事をしていた運送会社の二代目が、ある日やむにやまれぬ事情でとうとう運送会社の社長を注ぐことになった。ところが、今まで物流とは縁のない世界で仕事をしてきたものだから、まるで勝手がわからない。

そこで、二代目社長は自身の勉強も兼ねて、自社の強み、運送の特徴などを丁寧にWebサイトにアップした。

すると、ネットを介して仕事が舞い込むようになり、会社が急拡大した...、というサクセスストーリーです。

 

実は、この記事へのアクセスが増えるに連れて、私の中にはふたつの懸念が育っていきました。

ひとつは、こういった「例外的な幸運」をホームページに求める方を増やすきっかけに、本記事がなってしまうんじゃないかという懸念。

もうひとつは、逆に効果がないホームページを厭う...、というか、ホームページにやたらと過剰な期待を抱く方を増やしてしまうんじゃないかという懸念です。

 

「現在のWebマーケティングは、単純ではありません。Webの世界で15年間以上、飯を食ってきた筆者からしても、現在のWeb事情は複雑怪奇な様相を呈しています」

 

記事中の一文ですが、私としては、私の書いた記事がWebマーケティングであり、Webサイトに対する誤爆を誘発することは嫌だったわけです。

ですから、『ホームページで集客を成功させた運送会社』に対する補足であり、アンサー記事を書きたかった次第です。

ホームページを持たない会社ほど、ホームページに過剰な期待をする

おりしも、いくつかの会社から、「今、うちはホームページがないんだけど、ホームページを作ったほうがいいんですかね...?」という相談が重なっていた時期でした。

 

こういった会社さんは、疑問を抱くくらいだから危機意識は持っています。

だから...、なのでしょうか。

ほぼ100%の会社が、このように尋ねてきました。

 

「ホームページを作ったところで、何をしたら良いのか、目的があいまいなんですけど...」

 

「『目的があいまい』だと、Webサイトを作る意味がないんですか?」と逆質問をすると、次に必ずこう返ってきます。

 

「やっぱり、お金をかける以上、効果を出さないとダメじゃないですか」

 

費用対効果、という言葉が、逆に新たなチャレンジを妨げてしまう好例です。

ホームページを作らない、という選択

私自身、ご相談を頂戴したお客様に、「Webサイトを作らない」というご提案をしたことがあります。

数は少ないですけど。

 

一例です。

ある超高級温泉宿がありました。とても人気で、雑誌等で「大人の隠れ宿」的な特集が組まれると、必ず取り上げられる高級旅館です。

その旅館は、なんでも一年半先まで予約が満杯なんだとか。予約可能なのが1年半先までなので、つまりはすぐに予約が埋まってしまう状態にあるわけです。

 

その旅館はWebサイトがなく、したがって「Webサイトを作りたいんだけど?」、というご相談を頂戴したわけなんですが。結果として私からは「Webサイトを作らないほうが良いのでは?」という提案をしました。

 

理由はいくつかあります。

一番の理由は、その旅館の場合、情報の遮断(少なくとも絞る)ことで価値観を高めるべきだと考えたことでした。

 

例えば、1泊100万円のスイートルームがあったとします。

そのスイートルームの写真が、Webサイトに掲載されていたらどうですか?

 

「いや、1泊100万円の買い物なんだから、あらかじめどんな部屋か見て、確認しておきたいよね??」

 

残念ながら、それは庶民の発想です。

100万円のスイートルームを求めるような方は、事前の安心よりも、出会った時の感動を求めます。

 

 

だたし、勘違いしないでくださいね。

このような例はほとんどありません。

少なくとも企業にとって、ホームページを作らない、という選択は、限られたケースでしか起こりえないものです。

中小零細企業こそ、ホームページを用意すべき

中小零細企業こそ、Webサイトを持つべきです。

運送会社、倉庫会社など、物流屋の皆さんも、それは同様です。

 

その理由は、「ホームページが必要な理由」もご参考にしていただければと。

 

Webサイトがない会社は、その時点で、Webサイトがある会社に負けています。

運送会社に限って言えば、99%の企業は中小零細企業なわけですから、乱暴な言い方をあえてすれば、「Webサイトがない時点で、負けが込んでいる状態」にあります。

 

物流屋が、勝つためにはどうしたらいいか?

この答えはとても難しいですが、まず当たり前のことを当たり前に行うことが大事であると、私は考えています。

そして、「ホームページがない」という状態は、今の世の中にあって、明らかに「当たり前ではない」状態であることを認識すべきです。

 

 

「現状維持すなわち後退でしかない」

 

よく言われる言葉ですが、Webサイトの有無は、まさにこの言葉のとおりです。

道は険しいですよ。

 

でも、頑張るしかないです。

 

なんだか話が大きくなってしまいましたが、ともにがんばりましょう!