「THE TIME」(TBS)に出演しました。
Zoomで収録した録画が、ほんの少しだけ流れました。テーマは、「中型・大型トラックの高速道路における最高速度を、80km/h→90km/hに引き上げる件について」です。
X(旧Twitter)にアップした、本件に関する僕の見解を転記します。
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#事実:
・最高速度引き上げによる時間短縮効果は、東京〜大阪の移動でも40分程度。
・運動エネルギーは1.27倍に増加。つまりその分、交通事故発生時の被害が増える。
#経緯:
最高速度引き上げ議論は、昨年起こった100km/hへの引き上げ議論の延長にあります。
これは現行のトラックに装着されたリミッターやギア比の問題などから、時期尚早と判断された模様。
ただし、このときの議論も、衝突被害軽減ブレーキやドライバー異常時検知システムなどの安全支援装置を装着したトラックのみに最高速度の引き上げを許可するという、条件付きの規制緩和だったはず。
#さかたの考察:
・80km/h→90km/hへの引き上げ程度では、トラックドライバーに対しても、消費者に対しても、まして「物流の2024年問題」に対しても、メリットはありません。
・安全支援装置の装着義務化を伴わない最高速度の引き上げはあまりに危険です。←ただし、安全支援装置が最高速度引き上げのリスクを、ホントに軽減できるのかどうかの検証も必要です。
・今回の最高速度引き上げは、将来の最高速度100km/hへの引き上げに対するステップでしょう。
#総括:
物流改善に限らず、「これをやれば大幅な改善が見込める」、つまりROIが高い改善施策は、これだけ高度化した現代社会で見出すのは困難です。(一般論ですね)
つまり1%でも効果のある施策を無数に積み上げること(マージナルゲイン)が必要であることは確かですけど。
それにしても今回の最高速度引き上げは拙速だと考えます。
#おまけ:
「どうせ今だってアクセルベタ踏みして、90km/hで走ってるトラックが多いんだから、結局同じでしょ?」という意見は、確かに一理あると思います…
ここまで<
マージナルゲインについては、以下の記事で解説しています。