今年2016年のPavism活動実績をご紹介しつつ、ざっくりと物流業界の動向を考えたいと思います。
久しぶりのブログ更新になってしまいましたが、お付き合いください。
2016年の活動実績/事例報告
本当に久しぶりのブログ更新となります。いけませんね、これでは。
言い訳になりますが。おかげさまで今年はたくさんのお仕事を頂戴したことで、とても忙しい一年を過ごすことができました。創業3年を過ぎ、4年目を迎えた身としては順調と言って良いでしょう。お仕事をくださった皆さま、この場を借りて、感謝申し上げます。
Pavismブログは開店休業状態でしたが、情報発信のチャネルとしては、秋元運輸倉庫さんのメールマガジン「秋元通信」を月に2回のペースで発信し続けていました。
「秋元通信」は、ほぼ100%私の好きに書かせていただいています。私にとっても、とても大切なものとなっています。
「秋元通信」の配信を始めて約3年になろうとしています。読者数も順調に増え、また「秋元通信」をきっかけに秋元運輸倉庫さんにもお仕事のご相談などが入るようになっています。当初、営業開拓の手段として開始したメールマガジンではありますが、ブランディングツールとして、また同社の認知手段、競合との差別化など、しっかりと効果を発揮しています。ありがたいことです。
さらに、秋元運輸倉庫さんからは、セミナーや高校生向けインターンシップのディレクション、社内報制作など、他にもさまざまなご依頼を頂戴しました。「IT御用聞き」と名乗り、とにかくやれることはなんでもやりたい私にとっては、今年も知的好奇心をくすぐるお仕事ができて、楽しくそしてうれしい一年でした。
Webサイト制作では、黒田電気さんの採用コンテンツ制作を行っています。本制作では、取材、制作を私が行い、イラスト作成をインテレクトグループさんにお願いしました。
採用コンテンツでは、「先輩の声」等インタビューコンテンツにおいて、社員の実画像を使うのが一般的です。しかしながら、実画像ではなくイラストを使うメリットはいくつもあるんですよね。今までも似顔絵イラストを使ったコンテンツ制作を提案したことはあるものの、なかなか「うん!」と言ってくれるお客様がいませんでした。今回、黒田電気さんに提案を受け入れていただいたことはとてもうれしく思っています。
ExcelVBA制作に関しては、今年もデータ加工系のニーズが多い中、画像生成ツールをExcelVBAで制作したのは、新しかったと自負しています。フォームで個人情報を入力してから画像を取り込むと、名刺サイズのプロフィール画像を生成するこのツールは、自転車イベントの参加者紹介ページ作成のために作成しました。
ExcelVBAの用途としては、珍しい使い方です。
物流コンサルタントの仕事としては、一般社団法人日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)さんにお声がけいただき、「国土・未来プロジェクト」へ参加させていただきました。これは、主にゼネコン大手各社が参加し、土木系プロジェクトの国策提言を行うというワーキンググループ。私も物流業界側の立場から、至らぬながらもアドバイスをさせていただいています。
私自身も知見が広がり、とても刺激的な活動となりました。
刺激的、という点では、今年もっとも刺激的だった取材はこれでした。
「震災に立ち向かう小学校教育 『生き抜く科』」 (株式会社和泉 和泉'sブログ)
なぜ刺激的だったのか?
遠回しになりますが、私自身の立ち位置も含め、ご説明しましょう。
「物流業界を主戦場とした、IT御用聞き」
これが、私の自己紹介であり、キーワードです。
ITコンサルタントでもなく、物流コンサルタントでもなく、「IT御用聞き」と名乗るのには理由があります。
私は、自らツール(道具)として規定したいからです。
なんのためのツールかと言うと、「ブーストするため」のツールです。
何をブーストするのかと言うと、それは結局「ひと」なんですね。
会社の基本構成要素は「ひと」です。
もちろん、システムであったり、ビジネスモデルであったり、会社の構成要素は他にもありますが、私は「ひと」という会社の要素に対して貢献していきたいと考えています。
先の「生き抜く科」というカリキュラムは、初等教育において、子どもたちの能力を飛躍的に伸ばすポテンシャルを持っています。さらに、防災教育というテーマが、実に実戦的です。
大災害から「生き抜く!」という実戦力には力強さを、豊かな発想力や思考能力、仲間との協働能力などの実践力には、美しさすら感じます。
※記事中から転記
「実戦力」と「実践力」。
文字遊び? いえ、取材中、ずっと私の脳裏に浮かんでいたのは、このふたつのキーワードでした。
仕事をしていて、「これは!?」というものに出会うことがあります。しかし、サラリーマンをしていると、あるところまでしか「これは!?」に踏み込めないこともあります。
こういう出会いと、そして「これは!?」に突進できる立場を得たことは、野良犬フリーランスになった甲斐があったというものです。
平山小学校が進める「生き抜く科」への取り組みは、私の「IT御用聞き」としての知と気づきの能力を高め、ツールとしての価値を高めてくれる、刺激的な触媒です。
2016年の物流業界に思うこと
前述の秋元運輸倉庫/秋元通信において、同社の鈴木取締役本部長インタビューにおける言葉です。
まさに、この言葉こそが ”今”の物流業界と、”これから”の物流業界を象徴する言葉だと考えます。
上記は、私が考える現在とこれからの物流業界のチカラ関係です。
少し、昔話をします。
2013年9月、東京オリンピックが2020年に開催されることが決定しました。同時に、運送バブルとも言える、異常なトラック不足が始まります。
この時に、多くの運送会社、そして倉庫会社が考えました。
「これはラッキーだ。このまま、運賃が高止まりしてくれれば、経営も楽になるぞ!」
トラック不足による需要と供給のアンバランスが、運賃を上げてくれる。
そう思った物流企業がたくさん現れました。
これは、全日本トラック協会が発表しているWebKIT成約指数等のデータを、公開されている2013年12月から2016年11月までまとめ、加工したものです。(※元データはこちら)
同データによれば、運賃が最も高騰したのは2014年3月。東京オリンピックの開催が決定、発表された半年後の繁忙期です。2014年3月以降、運賃指数は徐々に下がり、ここ1年ほどは1割~1割5分高程度の水準で遷移しています。
上図のように、運賃指数と成約率の関係をプロットすると、さらに問題点が分かりやすく見えてきます。
2014年、2015年、2016年の線形運賃指数の線を見てください。線の傾きが、緩くなっていることが分かります。2014年線形運賃指数と2016年線形運賃指数を見ると、傾きの差は明確です。
X軸は、成約率です。成約率が上がるということは、需要と供給のバランスがよりとれているということですから、運賃が下がるのは当たり前です。しかし、線形運賃指数の傾きが緩い(小さい)ということは、需要と供給の増減に、運賃が連動しにくくなっているということです。
私が問題だと考えるのは、「トラック不足(需要と供給のアンバランス)が、運賃変動に十分に反映されていない」ということではありません。
問題は、「オリンピック開催という『外部要因』によって、自らの境遇が変わるんじゃないか!?」と期待した物流企業が多くいたことです。そして、それは実現されているとは言い難い現状という結果になっていることです。
「ほら見たことか!?」
私の本音です。
はっきり言いましょう。
待つだけの倉庫会社、待つだけの運送会社は、好きにしてください。
2015年10月に経団連は、「企業の競争力強化と豊かな生活を支える物流のあり方」という提言を発表しました。本件に関する解説であり私の所感は、過去の秋元通信で書いていますので、興味のある方はご覧ください。
ことここに至っても呑気な物流企業と違い、荷主サイドからすると、今や自分たちが行うべき改革であり進歩のボトルネックが、物流であると認識しています。今の物流に危機感を抱いている荷主が増えていることは明白です。
その危機感に対する具体的アクションの差が、前述のピラミッド型チカラ関係になってしまっているのです。
私の2016年、そして2017年以降も、現状に甘んじることなく、「いま」を何とか打破したい!、と考えている企業のお手伝いをしたいと考えています。
クチを空けて待っているだけ、環境の/マーケットの変化に愚痴は言えども、結局重い腰を上げようとしない会社は、私がお手伝いする必要もありませんね。
あなたの「ガンバル」を全身全霊で応援する。
主戦場は物流業界。
生業はIT御用聞き。
この冠に、自分自身が妥協することがないように、2017年も駆け抜けていきます。
皆さま、よろしくお願いいたします。