メルマガ「秋元通信」7月号では、同社が行った「情報交流会」の様子をレポートしています。
同社の「情報交流会」は、主に物流業界の方々を集めた交流会であり、つまり同業種交流会ということになります。
なぜ、「異業種」交流会ではなく、「同業種」交流会なのか??
新たなビジネスチャンスを繋ぐ方法のひとつとして、よく行われている異業種交流会ですが、実際に参加して、仕事を獲得できた方(会社)はどれくらいあるのでしょうか?
「異業種」交流会の問題点と、「同業種」交流会の可能性を考えてみましょう。
筆者は、これまで様々な異業種交流会に参加してきました。
Pavismとして起業してからも、それ以前、サラリーマンだった頃もよく参加していました。
はっきりと申し上げますが、異業種交流会をきっかけに仕事に発展した経験というのは、私自身ほとんどありません(ゼロではありません)。
さまざまな異業種交流会に顔を出していれば、人脈は広がります。情報の幅も広がります。しかし、なかなか仕事にはつながりません。
何故なんでしょうね。
- 仕事が欲しい人ばかりが集まる場で、仕事が見つかるわけがない。
- 集まる人が多種多様すぎて、仕事の接点が見つけられない。
- 話していても、お互いに売り込みトークしかしないので、話が盛り上がらない。
理由として、一番多いのは1.でしょうか。
「物流業界を主戦場にするIT御用聞き」なんて自己紹介をする私の場合、2.のケースもよくあります。「物流業界を...」と話した瞬間に、相手の眼の色が「興味ないモード」に変化することなど、日常茶飯事です。
ただし、異業種交流会の目的というのは、仕事を探すことだけではありません。
仕事を探すこと(ビジネスマッチング)以外を目的とした異業種交流会も、もちろんあります。
例えば、学びを目的としたもの。
私は、GoogleAppsユーザー会に定期的に参加していますが、まさしく学びを目的とした異業種交流会でしょう。
例えば、情報収集を目的としたもの。
私が過去に参加した例では、港湾ビジネスの活性化を目的とした研究発表会、LAMP系OpenSauceの事例発表会などは、これにあたります。
そして、異業種交流会を目的としたものではないのだけれども、結果として異業種交流会になっている例もあります。シェアオフィスなどで、利用企業同士の親睦を目的として行われる交流会などは、これにあたるでしょう。
私の場合、異業種交流会から仕事につながった数少ない例を思い出すと、ビジネスマッチング以外を目的とした異業種交流会から発生したものがほとんどでした。私のような経験をした方、そもそも「異業種交流会なんて、参加するだけ無駄だよ!」と考えている方は、わりといらっしゃるのではないでしょうか??
ちなみに...
「だったら、最初っから『ビジネスマッチング』以外を売りにした異業種交流会を開催したほうが、結果としてビジネスマッチングになるじゃないか!?」
確かに一理あります。
しかし、これはこれで問題があります。
ビジネスマッチングを売りにしたほうが、人が集まりやすいことが、その理由。学びや情報収集を直接の目的とすると、よほどテーマが面白くないかぎり、ビジネスマッチングを売りにするよりも人を集めることはできません。
だからこそ、「同業種」交流会なのです。
本題に入りましょう。
弊社でプロデュースさせていただいている、秋元運輸倉庫の情報交流会についてです。
情報交流会レポート(テーマ:物流業界と『女性活用』)
- 今回で三回目の開催。
- 参加人数は、10名強→20名強→40名強と倍増ペース
- 参加者は、大半が同業他社であり、物流企業。
同社では、情報がビジネスを産むという考え方を持ち、そのためのさまざまな仕掛けを行っています。弊社でお手伝いをしているメルマガ「秋元通信」もそのひとつです。
情報がビジネスになることは、誰もが分かっていることです。しかし、それを実践している企業は限られています。ましてや物流業界では...
同社は、情報に対し、価値とビジネスチャンスを(本当の意味で)認めている数少ない物流企業であると言えます。
情報交流会@秋元運輸倉庫は、「同業種」交流会です。
表向きは、情報や学びを目的としていますが、下心(下衆いな表現ですいません)としてビジネスマッチングを期待して、各社参加していただいています。下心、と書きましたが、そのような場として活用して欲しいということは、同社から参加者の皆さまへあらかじめ伝えています。
そのため、情報交流会@秋元運輸倉庫は、受け身となるセミナー・パートだけでなく、ディスカッション・パートと懇親会も用意しています。懇親会だけだと、どうしても上辺の話だけになってしまうことが間々あります。しかし、参加者各社が自身の考えを述べるディスカッション・パートを設けることで、その後の懇親会において、もう一歩深掘りした参加者各社同士の交流を図ることができるのです。
すべての業界で同じことが可能であるとは言いませんが、ビジネスマッチングの可能性については、異業種間で探るよりも、同業種間のほうがよほどチャンスがあると考えています。
特に、物流ビジネスの場合、それが倉庫会社であれ、運送会社であれ、一社でカバレージできるビジネステリトリーは限られています。情報交流会@秋元運輸倉庫においては、三回目にして既に複数の協業ビジネスがスタートしています。同業種交流会の破壊力は、既に実証されているのです。
「情報」や「学び」という皮を被った、同業種ビジネスマッチング交流会。
これまで、参加者として、もしくは主催する側として、様々なビジネスマッチング交流会に参加してきましたが、ようやく結果を出すことのできるスタイルが見えてきたという感覚を掴んでいます。
以下、おまけです。
情報や学び、もしくは人脈を目的とした異業種交流会が悪いとは、まるで思いません。
このような場に参加することは、経験や知識を高め、ビジネスマンとしての幅を広げる役に立ちます。むしろ、企業の人材育成においては、中堅どころの社員たちを、積極的に異業種交流会などに参加させるべきであると考えます。
しかし、ビジネスマッチングを売りにしている異業種交流会の場合は、別です。
このような交流会においても、もちろん経験や知識を得ること、成長をつかむことはできます。ただ、目的に対して結果をコミットできない(ビジネスマッチングが成立しない)時点で、残念ながらアウトです。
ヒトの時間を頂戴することは、タダではありません。
少なくとも、時間を提供した側は、見返りを受ける権利があるのです。
そのことを世の異業種交流会主催者の皆さまに、もっと自覚してもらうことで、実のある異業種交流会が増えると良いのですが...