コンサルタントというビジネスにおいて、全体最適化と部分最適化の違いが、ビジネス上の(※「コンサルティング上の」ではないので注意)分岐点となることがあります。
そのあたり、感じたことをぼやいてみました。
先日、コンサルタントの大先輩からご連絡を頂きました。
先輩いわく、トヨタ生産方式しかり、IoTしかり、Webでの情報発信(※コンテンツマーケティングを言いたかったのかな?)しかり、どれも万能薬ではないよね?、との疑問。
その疑問について、僕に意見を求めたかったようです。
そもそも、世にいるコンサルタントと呼ばれる人たちは、全体最適化と部分最適化は似て非なるものであること、そして自身のポジションはどちらなのかを把握しておく必要があるんじゃないかと。これは常々感じていることなのですが、意識をしていない人が意外と多い。
例えば、システム導入。
SAPを入れたって、それは基幹業務に対する部分最適化でしかありません。企業全体の向上を目指すのであれば、教育だったり、戦略だったり、福利厚生だったり...、といろいろなことを総体として行う必要があります。
システム導入=部分最適化の最たるものだけれども、それを認識していない若手コンサルタントは、とても多いです。
同様に、経験を積んだ老練な先輩コンサルタントの中には、(極論しちゃうと)全体最適化こそが絶対正義であり、部分最適化を認めない傾向を持つ方がいらっしゃいます。
暴言かもしれませんが、全体最適化は理想であり、部分最適化は都合なんですよね。
それもコンサルタント側の、ビジネス上の「理想」であり「都合」だったりするケースもあります。
補足すると、部分最適化における「都合」とは、ビジネススピードであったり、改善に割ける工数であったり、もしくはコンサルタント側のビジネス上のシナリオだったりします。
さらにおまけ。
全体最適化と部分最適化のどちらが優れているかを議論する方がいます。
僕は不毛だと思う。
なんか、その手の議論を聞いていると、「ウルトラマンと仮面ライダー、どっちが強いのか!?」みたいな議論と同じで、比べる土俵が違うことを分かってくれよ!、と思ってしまいます。
どちらも優秀な手法だし、どちらも「帯に短し襷に長し」だったりもします。
結局、コンサルティングを求めるクライアント側の要件にあわせて、最適な最適なコンサルティングは変わるんです。
当たり前の話なんですけどね。