最近、一般メディアにおいても、物流業界のことが取り上げられるようになりました。このこと自体はありがたいことだと考えていますが、その取り上げ方には、率直不安...、というか危機感を感じています。
ITコンサルを務めるアルケミートレード株式会社のブログ「あるけみ日記」に、同記事をアップしました。
トラックドライバーの人不足。
このことは、業界内においてはもっとも重要な課題のひとつであると言って過言はないでしょう。
さらに進行すれば、やがて商品の流通にも影響が出てくるほど、これは深刻な課題です。
現在は運送会社の自助努力(要は過重労働)によって、問題は顕在化していませんけれどもね。
ドライバー不足問題を一般メディアが語るとき、たいていの場合、以下のようなストーリーになっています。
- トラックドライバー不足が問題となっている。
- 問題は、魅力に乏しい運送業界に原因がある。
- その理由は、主にみっつ。
- 給料が安い、低賃金
- 仕事がきつい、3K(キツイ・汚い・危険)
- 長時間労働、もしくは福利厚生の整備が進んでおらずブラック企業が多い
あるけみ日記に寄稿した「運送業界って、そんなに魅力ないかな?」は、政府統計データをもとに、この染み付いたような運送業界に対するイメージを検証したものです。
ここでは、その検証結果は書きませんので、ぜひリンク先の同記事をご覧ください。
さて...
冒頭、このように書きました。
最近、一般メディアにおいても、物流業界のことが取り上げられるようになりました。このこと自体はありがたいことだと考えていますが、その取り上げ方には、率直不安...、というか危機感を感じています。
トラックドライバーが不足している問題、その原因は運送業界内にだけあるのでしょうか。
運送会社は、中小零細企業の集合体です。
また、使われる立場である、つまり商取引上の下流に位置するため、交渉力に乏しいのが現状。
商社やメーカー、通販事業者などの戦略(都合と言ってもいいでしょうね)に強制され、時間指定配送や、棚入れの強制など、トラックドライバーへの過剰なサービス要求がエスカレートしています。
「送料無料」は、当初は通販事業者の自助努力によって行われてきた消費者へのサービスだったかもしれませんが、今は運送事業者への過剰な運賃値下げ要求への方便に成り下がっています。
結果、原油が上がろうが、人件費が上がろうが、適正な運賃を欲しいとの運送業界からの要求は、メーカーや商社から却下され続けるわけです。
勘違いしないでくださいね。
運送業界自体に、まったく問題がないなんてことは言いませんし、それはありえません。
世の中は、そんなに簡単に二元論で判断できるわけがありませんし。
運送業界側から、強く自己主張をすれば、上記のような考え方になろうかという例であり、また一般メディアには、もう一歩掘り進んで報道をして欲しいと切に願います。
ドライバー不足問題をネタに、運送業界の悪印象をばらまかれるような報道を続けられれば、むしろ人集めには悪影響しか与えないことでしょう。
記事「運送業界って、そんなに魅力ないかな?」では、お互いの主観をぶつけあうようなことではなく、なるべく公正に運送業界の労働環境を論じるため、政府統計情報をもとに考察をしてみました。
大切なことは、もっと深く、もっと多角的な観点から議論することであり、報道されること。
そしてなによりも、運送業界/物流業界にいる私どもが、もっと物流の魅力、運送の魅力を発進することだと考えています。
微力なりとも、僕も頑張っていこうと考えています。