フリーランスの価値

2015年の所信表明に代えて、「フリーランスの価値」をテーマに、僕の考えるところを書きたいと思います。

「主戦場は物流業界、生業はIT御用聞き」

これが、僕が現在掲げているPavismのキャッチコピー。

起業して1年半、フリーランスとして活動を継続し落ち着いたキャッチコピーですね。


実際は、別にお客様を物流企業に限定しているわけではありません(物流関係のお客様が多いのは事実ですけど)。

IT御用聞きと名乗るのは、「僕ができることだったら、なんだってやりますよ。だからとりあえずどんなことでも相談してみてくださいm(_ _)m」というお願いをこめてます。


なんだってやりますよ!、というのは、裏を返せば僕に明快かつ強力な槍がないこと。そんな僕でも、なんとかこの1年半生き残ってこれたのは、お客様と周囲の応援があったからです。


そんな僕にお仕事をご依頼していただけるお客様のメリットってなにか?

大別すると、以下みっつではないでしょうか。


  • コスト
  • 生産能力
  • 情報


解説します。


コストには、ふたつのポイントがあります。

ひとつは安価であること。ふたつ目は、スポットで承ること。

組織を抱えているわけではありませんから、企業に比べ安価にお仕事を承るのは当然。そして、お客様の「困った!」に対し、社員ではなくスポット対応できる外部リソースであることが、お客様にとってのメリットであったかと思います。


生産能力は、ボリュームのことではありません。スキルのことですね。

実際承ったお仕事、「請求書発行のためのExecelVBA」の例で言うと。

旧来は、Excelに手入力でまとめていた請求データ。これをフォームを使って正確かつスピーディーに入力できるようにした上で、請求書と明細を自動生成できるExcelVBAが、僕が作った成果物。

このケースでは、「ExcelVBAを作成できる」という僕の生産能力が、お客様にとってのメリットだったわけです。


情報は、僕の持っている情報と、お客様の持っている情報に差が存在することで、初めてお客さまにとっての僕の価値が発生します。情報の水位差とでも言いましょうか。

そして、ここで言う情報には、静的な情報(競合他社や市場の動静など)の他に、例えばあるシステムを選定する際に必要な選択眼(ITコーディネーターとしての能力)や、統計データやマーケットを鑑みて新たな見解を生み出す取材力なども含まれます。

ここで注視すべきは、僕の持っている情報がふたつに大別されること。人脈(SNSを含む)によって得られる情報と、僕自身が勉強し積極的に情報収集して得られる情報のふたつです。


コスト、生産能力、情報は分離独立しているものではありません。

Pavism(パビズム)の仕事と、この三要素をマッピングすると以下のようになります。


パビズムの価値。ホームページ制作、メルマガ作成、ExcelVBA、ITコーディネート、ライティング、コンテンツコンサルティング、営業コンサル、案件開拓

さて。

営業というのは、お客様との真剣勝負です。

その真剣勝負のために、常に武器は磨く必要があります。


会社員の場合、武器は自分自身で鍛えると同時に、会社が武器を鍛えることも重要です。乱暴な分類になりますが、自分自身で鍛える武器が営業力であり、会社が鍛える武器が商品力と言うと分かりやすいかと思います。


フリーランスの場合、武器はすべて自分で鍛えあげる必要があります。

営業力も、商品力も自分次第。Pavismのように、自社商品やら自社システムを持たず、コンサル要素が多いビジネスを行っているケースでは、「自分次第」という色合いは、なおいっそう濃くなります。


働き始めて20余年。

40歳半ば、僕自身の商品力は、今がもっとも高い。これは自信を持って言えます。そしてこれからもっと上げていく自信があります。


フリーランスになって、もっとも上がった僕の商品力は、先の三要素のうち、「情報」です。

フリーランスと会社員のもっとも大きな違いは、時間のマネージメントにおける自由度でしょう。そして、フリーランスになった僕は、「情報」能力を向上させるために時間を多く割けるようになりました。これが僕の自信の根拠です。


例えば。

会社員の頃は、業務時間内にお客様以外と面談することに時間を割くことは意外と難しい。下世話な表現にブレイクダウンすると、業務時間内に会うことができる相手って、イコール売り上げにつながる人。だから、自分をスキルアップさせてくれる人や、将来の可能性に期待できる人と面談することに時間を費やすことは、会社員だと意外と難しいのが現実です。


例えば。

会社員って、自己研鑚のための時間を作ることは意外と難しい。中にはビジネススクール等に通わせてくれる会社もありますが、それはごく一部だし、会社員である人生のごく一時期であることがほとんど。セミナーや展示会、勉強会に通い続けていると、そのうち上司に、「ところで君はいつ仕事をしてくれるのかな?」なんて嫌味を言われてしまうのがオチ。会社員であるかぎり、自己研鑚というのは会社の望む範囲でしか行いにくいのが現実です。


でも、フリーランスになった今では、自己研鑚のために費やす時間も、自分を高めてくれる人と会うための時間も、嫌味な上司に文句を言われることもなく、自分自身でマネージメントすることができる環境にあります。

つまり、Pavismという自分の情報価値は、自分の努力次第で高め放題なわけですね。

(あくまで、"努力次第"ですけど...)


そうは言っても、時間は有限なわけですが。

会社員と違って、部下のケアに費やす時間は必要ないし、組織間の調整に頭を悩ませる時間もゼロ。上司のつまらない愚痴やら小言からも解放される。会社員時代、このような非生産なことに費やしていた時間を、自己研鑚に回せることは、フリーランスにとっては、間違いなく大きな強みです。


僕は4回の転職を経て、5社の会社で働き、そしてフリーランスになりました。5社目の転職活動の際は、年齢的なこともあり、とても苦しい思いをしました。

今になって、たびたび会社組織に従属することへのお誘いを頂くことがあります。とても光栄なことなのですが、すべてお断りしています。


理由はかんたん。

お誘いを頂くのは、今の僕の価値を認めてくださってのことですが、組織に従属した将来、僕の「コスト」、「生産能力」、そしてとりわけ「情報」の価値は下がらざるをえないと考えるから。

僕の価値は、フリーランスであるから実現できているものであり、組織に従属した後、その価値は維持できないでしょう。理由はこれまで述べたとおり。

そして、価値が下がった自分を僕は見たくない。当然、組織からも見捨てられるでしょうしね。


フリーランスって、つまりは野良犬なわけですから、しんどいのもこれまた事実。

家のない不安にさいなまれることもありました。これからもあるでしょう。


でも、意地でも野良犬であることにしがみついてやろう。

そして、自分の価値を高めることに対し、貪欲であろう。


これが、僕の2015年の所信表明であり、僕がお客様にお約束する「フリーランスの価値」です。


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