興味深い記事がありました。
◇社員の生産性を効果的に監視するための4原則
http://www.lifehacker.jp/2014/05/140511big_brother.html
社員の動態管理を行うことによって、業務生産性をあげようという取り組みですね。
『ヨーロッパのスーパーマーケットチェーンTesco社は、従業員に電子機器のついたアームバンドを着用させました。従業員たちが倉庫を歩きまわる速度を調べるためです。従業員たちは、トイレに行く回数まで監視されていると不満を漏らしています。』
記事中では、この事例を『気分が悪くなる事例』として一刀両断しています。
僕はこのような「動態管理ツール」をご提案し、企業内で活用していただくことを生業としています。
確かにこのようなツールを、「監視のためのアイテム」と捉え、生理的に嫌悪するお客様はいらっしゃいます。しかしながら、少なくとも運送業界においては、「動態管理ツール」は今後さらに導入が進み、物流現場の生産性向上のための必須アイテムになっていくことと思います。
理由は簡単。
生産性向上、ここまでやらないと、もうやれることはいくらもないんですよ、物流の現場においては。
もうひとつ。
「動く」というのは、運送の根本。それゆえに人の経験と勘が重要だと考えられているからです。
カーナビを使わないドライバー、配車システムを使用しない配車マン、つまり職人気質が邪魔をして、システム化や業務改善が進んでいない聖域とも言えるからです。
僕の経験上の感覚でしかありませんが、動態管理システムを導入した運送会社は、ほぼ100%業務改善/生産性向上のネタを掴んでいます。
動態管理システムを導入したにもかかわらず、生産性向上につながっていない会社があるとしたら、それは検証と分析を怠っているからです。
逆に言えば、トイレに行く回数を知られたところで問題があるのでしょうか?
もしかしたら、トイレにいく回数を定量的/継続的に記録することで、病気の兆候が発見できるかもしれませんよ。
まあ、トラックの動態管理と人のそれは異なる部分もありますし、『仕事以外の活動まで監視する企業』は間違いなく非難されるべきだと思いますが。
動態管理ツールを毛嫌いしすぎるのは、せっかくの業務生産性向上のチャンスをフイにする結果になるのではないかと、僕は思います。