Pavism(パビズム)の由来

Pavism(パビズム)という社名(屋号)は、「Pave」(石畳)と「ISM」(主義)を組み合わせた造語です。

今回は、その由来について書きたいと思います。

先の日曜日、そしてその1週前の日曜日、ふたつのサイクルロードレースが開催されました。

先に行われたのが、「ツール・デ・フランドル」、昨日開催されたが、「パリ~ルーベ」。ともに、ヨーロッパの古い石畳、つまりPaveをコースに取り入れたサイクルロードレースです。

ふたつのレースに登場するPaveは、滑らかに切りそろえられた石を敷き詰めたような、現代の街並みで見かけるようなものとは大きく異なります。
そこらの岩を道に埋め込んだような、岩そのものの凹凸をそのままさらけだしている姿。自動車ですらスタックし、時には凹凸の角に下腹をやられ、オイルを撒き散らすような道。

さらにこのふたつのレースを難しくしているのは、「伝統」です。「パリ~ルーベ」は今年100回目、「ツール・デ・フランドル」は今年101回目。ともにその格式の高さから、「モニュメント」に名を連ねるレースであり、「パリ~ルーベ」は「Queen of Classic」、「ツール・デ・フランドル」は「King of Classic」と称されます。

出場する選手たちは、この伝統のレースで、名誉を勝ち得るため、まさに死に物狂いで250Kmに渡る戦いを繰り広げるわけですね。

今年の「ツール・ド・フランドル」を制したのは昨年のディフェンディングチャンピオンである、スイス人のファビアン・カンチェラーラ。「カンチェラーラの勝利史上、もっとも美しい勝ち方」と現地では報じられた、見事な勝ちっぷりでした。

当然、その翌週の「パリ~ルーベ」でも、優勝最右翼はカンチェラーラ。対抗は自転車王国ベルギーの英雄トム・ボーネン、そしてスロバキアの若き才能ペーター・サガンら。

ところが...
昨日の「パリ~ルーベ」を勝ったのは、伏兵ニキ・テルプストラ。ボーネンのチームメイトであり、本来はボーネンの勝利のため、身を粉にしてサポートを行う「アシスト」役の選手でした。

大本命のカンチェラーラはパンクで体力を消耗し、勝負どころで力を発揮できず...
ボーネンは、レース中、圧倒的な力を見せつけたものの、警戒したライバルたちの執拗なマークにあい、体力を削られ続け...

本命のカンチェラーラとボーネンをマークするライバルたちを尻目に、警戒の薄かったテルプストラが残り6Kmで独走し、そのまま勝利を勝ち得ました。

テルプストラは、確かに強かった。
でも、「パリ~ルーベ」において、一番強かったのは、たぶんテルプストラではありません。

「強いこと」、「実力を備えていること」、これは勝者の絶対条件。
しかし、一番強い選手が勝つとは限らない。
勝利を勝ち得るためには、強さ以外の運、めぐり合わせといった要素も不可欠。

他のサイクルロードレースでも、もちろんサイクルロードレース以外のスポーツでも、同様のことは言えます。
しかし、この「Pave」(石畳)を舞台とするレースでは、ことさらにその要素が強く効果します。

だからこそ、人々は、「ツール・デ・フランドル」、「パリ~ルーベ」のふたつのレースを敬愛し、熱狂し、そして勝利を渇望するのではないかと感じます。
 
 
前置きが長くなりました。
「Pave」+「ISM」=「Pavism」に込めた想いについて。

実際の人生においても、同様のことは言えると思います。
人生においても、会社においても、同じこと。

手前味噌な話ですが、僕はヘッドハンティングされ、ほぼ決まっていた外資系IT企業への転職を、リーマンショックによって白紙にされました。
転職活動を行っていた2011年、やはり内定をもらっていた企業数社すべてから、3月13日(つまり、311があけた月曜日)、内定取り消しの連絡を受けました。

こんなことは僕に限らず、よく転がっている話です。

道はままならないもの。
計画し準備をしても、思わぬ外的要因によって視えていたはずの未来は大きく変わります。
チカラがなければダメでしょうが、チカラがあれば、必ず成功するというものでもありません。

勝った人、成功した会社、つまり勝者は由として。

残念ながら、視えていた未来を失った人、失った会社。
でも、そんな境遇にもめげず、その舞台となった「Pave」(石畳)に、二度三度と、挑もうとするこころを応援したい。

「Pavism(パビズム)」=「石畳主義」には、そんな想いを込めました。

人を応援する前に、まず自分が励まされ、助けていただいているばかりの未熟者ですが f^^;)
社名に恥じぬよう、切磋琢磨していきたいと思います。

※本記事は、弊社Facebookページに、2014年4月16日に書いた記事を転載しています。


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