景気回復に踊らされ、ヒト不足に嘆く運送業界

久しぶりのBlog更新になってしまいました...

いかんですね。

 

今年初めてのネタは、「景気回復に踊らされ、ヒト不足に嘆く運送業界」というテーマで、2014年の運送業界事情を考えてみたいと思います。

 

アベノミクス、そして2020年の東京オリンピック開催。

昨年2013年は、立て続けに大きな景気回復のシンボリックな出来事がありました。

業種業界において、このふたつの景気回復シンボルの影響は様々でしょうが、少なくとも運送業界においては、このふたつのシンボルの影響ははっきりと出ています。

 

「運送案件が、多数現れてきた」

「運送会社が、仕事を選べる立場になってきた」

「荷主からの問い合わせが増えた」

 

昨夏以降、運送案件に対し、運送会社側のキャパシティが不足している状況、つまり「クルマが足りない」状況が継続しています。運送会社からすれば、絶好のチャンスが巡ってきたわけです。

 

ところが、ここにきて、運送会社にとって困った状況も発生しつつあります。

仕事はあっても、人がいない、ドライバーがいないために、新しい仕事を受けられない状況。

例えてみれば、目の前にマグロの大群が押し寄せてきているのに、漁師が足りず、ただ指をくわえてマグロを眺めていることしかできない状況とでも言いましょうか。

 

運送業界における人材不足は、今に始まった状況ではありません。

ここ数年、ずっと重要な課題のひとつでした。それが、前述の景気回復の影響もあり、加速度的に運送業界の重石となりつつある....

 

 

というのが、現在の運送業界における状況と言えます。

さて、ここからが私の考えであり、というか想いなのですが。

 

今、多くの運送会社が、「1件でも多くの運送案件をこなすために、ドライバーを増やし、クルマを増やしたい」と考えているように見受けられます。

これは間違いではないでしょう。

ただし、これだけしか考えていないのであれば、それは正解ではないと、私は感じています。

 

ドライバー不足はすぐに解消できる課題ではありません。

ごく一部の成功例はあるにしろ、一朝一夕で解決できるような策を求めるのは、率直愚かなことです。

 

そうなると、今ある経営資源(ドライバーでありクルマ)で、最大限の効果を生む方法を考えないといけません。

 

今行うべきは、車両一台あたりの生産性を高め、現在の経営資源で、最大の売上と利益を得ることができるような戦略を実行すること。

例えば、荷主と交渉し運賃の値上げを図る。

当然、荷主が値上げに応じるようなネタ(提案)も必要。

また、提案がしやすい荷主、つまり自社の強みを活かすことができる提案にマッチする荷主を探すことも必要になるでしょう。

 

マグロを釣る漁師の数が少なければ、より大きなマグロを狙えばいいのです。

ここ何年も不足していて、かつ有効な対策も見つけられていない漁師(=ドライバー)不足を、今急に解決するような「夢」を求めるよりも、ずっとずっと現実的かつ効果的だと思いませんか?

 

いくら運送案件が多くとも、いや案件が多いからこそ、より美味しい案件を求めるべきです。

そして、より美味しい案件を求めるためには、荷主に対して効果のある提案ができる、交渉力と提案力、立案能力を備えた人材を求めるべきであって、安直にドライバーを求めるのは、まさしく「ヒト違い」かもしれません。

 

 

最後に、もうひとつ脅し文句(ごめんなさいねf^^;))

 

運送案件が増えたのも、荷主から問い合わせが増えたのも、それはあなたの運送会社の功績ではありません。それは、マーケットの追い風に乗っただけのこと。

大げさに言えば、アベノミクスを起こした安部首相の力であり、東京五輪承知のため「おもてなし」プレゼンをした滝川クリステルさんの力であり、あなたは、そのおこぼれ効果でもって、漁夫の利を得ているに過ぎません。

 

隣の運送会社は、今この時にも、荷主への提案書を作成し、協力会社を得るために東へ西へ足を運んでいるのです。今この追い風の時期に、さらに事業に加速をつけるため、必死に切磋琢磨しています。

 

 

景気回復は、永遠には続きません。

恐らくは2020年の東京オリンピック開幕まで。もしかしたら、その前に尻切れトンボになるかもしれません。

 

景気回復に浮かれ、ヒト不足の本当の意味であり課題を見誤るようでは、まさしくバブルに踊らされるこの数年になってしまうかもしれません。