僕の部下で、ちょっと困った女性がいました。
お客さんからの評価はまずまず。5段階評価で言えば、4くらいの評価は頂戴している。でも、社内評価は1に限りなく近い2くらいな感じ。
なぜか?
結論から言えば、彼女は営業なんだけど営業の仕事をしたがらないから。
ある時、こんなことがありました。
朝からノベルティグッズのカタログを食い入るように眺めている彼女。お客さんが行うキャンペーンの景品を、お客さんに代わって選んでいます。彼女はキャンペーンのWebサイト、チラシ制作の案件を獲得し、そのお礼というわけではないけれども、お客さんが本来行うべき作業を、お客さんに代わってお手伝いしているのです。
カタログにかじりついている彼女を見かね、同僚が声をかけていました。
「そんなこと俺たちがやることじゃないって。そんな暇あるんだったら、営業行けよ!」
彼女は言いました。
「お客さんが喜んでくれるんだから、やるべきだよね!」
結局、彼女はその日一日ずっとお客さんのために、カタログを眺めていました。
彼女の行動で、こういったことは日常茶飯事。結局彼女は退社するまで一度も営業目標を達成できませんでした。
彼女には、ついぞ理解してもらえなかったことがいくつかあって、そのひとつが「作業」と「仕事」の違いを意識することでした。
例えば僕は営業だから、こんなふうになります。
営業報告書を書くのは「作業」。訪問計画を立てるのは「仕事」。
見積書を書くのは「作業」。提案書を創るのは「仕事」。
同僚の愚痴を聞くのは「作業」。部下やお客さんの愚痴を聞くのは「仕事」。
最後のは、まあ、異論あるかもしれませんが…
つまり、売上につながるものは「仕事」で、売上につながらないものは「作業」と考えていたわけです。
この考えかたで言えば、カタログを眺め、ノベルティを選ぶのは、「仕事」ではなく「作業」となります。
「作業」は必ず発生するわけで、だから要はその割合。僕の場合、一日8時間の業務中、2時間=移動、2時間=作業、4時間=仕事になるように意識してきました。
人の心情として、「仕事」よりも「作業」をしていたほうが気が楽なんですよ。
なぜなら、「作業」の方が「仕事」よりも責任が軽いから。
だから、ついつい「作業」に逃げ込みがちなんだけと、でも、「作業」に逃げていたら、生産性は上がらないわけです。
先の彼女の例で言えば、もし彼女がノベルティグッズ選びの「作業」を、2時間以内におさめることができていれば、お客様からの評価も、社内の評価も、そして結果も伴う素晴らしい営業になっていたことでしょう。
「作業」と「仕事」の問題、次回は配車マンに当てはめて考えてみます。
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