天才はシステム構築に向かない?

「天才はシステム構築に向かない」これは私が以前やらかした手痛いミスの話。

 

某商社にて構築したシステム。商品情報をWebに掲載し、その意見や感想をお客様と会話できるシステム。今風に言えばCRMですが、当時はまだCRMも一般的ではなかったころのこと。

 

先鋭的で画期的。お客様社内外を問わず、極めて高い評価を頂いたが、結局実運用されることはなかった。

 

理由は明確。件のシステムは、あるTOP営業マンの理想を具現化したものだったが、その発想に、他の営業の方々がついてこれなかったことが原因。

 

そのシステムを使いこなすためには、件のTOP営業マンと比肩しうるだけの技量や才覚、つまり営業マンとしての才能が必要だった。残念ながら、これを満たす人材が他にいなかったがゆえの失敗だった。

 

最高の性能と効果を求めてシステム開発を行うポリシーは良い。でも、現状の業務プロセスを検証し、運用な可能な仕様に適正化しないと、宝の持ち腐れシステムの一丁上がりという顛末に陥ってしまう。

 

新システムに過大な夢と期待を抱いて、しかも机上の空論で、実運用に関する考慮が足りないと、このような失敗を引き起こす。天才、と書いたが、同様のケースは現場を知らない、役員や社長クラスが主導したシステム開発でも起こりうる、もしくは起こっている話だと思う。