2018年7月2日(月)、2019年春卒業予定の高校生に対する採用活動が解禁されました。
私も、お客様の採用活動代行として、高校への挨拶回りを行ってきました。
その様子、感じたことなどをレポートしましょう。
高卒採用マーケットの現状
厚生労働省が発表した、平成29年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」取りまとめをご覧いただくのが一番明解です。
ポイントを抜粋しましょう。
- 就職内定者数 約16万3千人で、同1.1%の減
- 求人数 約 43万人で、前年同期比 11.9%の増
- 求職者数 約 17万3千人で、同 1.5%の減
- 求人倍率 2.48倍で、同 0.29ポイントの増
上図は、厚生労働省の統計データを元に高校生求人数やら求職者数の推移をグラフ化したものです。
これを診ただけでも、高卒新卒者採用が、大卒新卒者採用以上にある意味ハードになっていることが分かります。
ちなみに、都道府県別の求人倍率を診ると、もっとも高い東京都は7.59倍でした。
他都道府県のデータに興味がある方は、こちらにまとめていますのでどうぞ。
私が採用活動のお手伝いをしているのは東京都です。幸いにして、ここ二年間お客様に成果を示せていますが...、まあ、とても厳しいマーケットであることは肌感覚として痛いほど感じています。
高校生採用活動、つまりは高校生向け就職協定のルールとは
意外とご存知のない方も多いですね。
【新規高等学校卒業者の採用選考スケジュール】
- ハローワークによる求人申込書の受付開始 ・・・・・・・・ 6月1日
※ 高校生を対象とした求人については、ハローワークにおいて求人の内容を確認したのち、学校に求人が提出されることとなる。
- 企業による学校への求人申込及び学校訪問開始 ・・・・・・・・ 7月1日
- 学校から企業への生徒の応募書類提出開始 ・・・・・・・・ 9月5日
※沖縄県は8月30日
- 企業による選考開始及び採用内定開始 ・・・・・・・・ 9月16日
出典:平成31年3月新規高等学校卒業者の就職に係る推薦及び選考開始期日等について(厚生労働省)
補足すると、2.については、7月1日が日曜日であったため、昨日2日(月)が実質的な採用活動解禁日となりました。
さらに東京都では、6月20日までに求人票をハローワークに提出した企業が、7月2日(解禁日当日)に求人票を受け取ることができるとアナウンスされていました。
求人企業が多いことから、ハローワーク側でも事務作業の集中を避けるため、このようなアナウンスを出したんでしょうね。
採用解禁日当日の様子
まず前提として。
高校生を採用したいと本気で思うのであれば、求人票を直接高校に持参するのは必須です。しかも、出来るだけ早く訪問すべきです。
本命の高校は、解禁日当日か翌日。そうでない高校でも、どんなに遅くとも1週間以内に訪問しましょう。
理由は...、また折に触れて書きましょう。
ひとつ言えるのは、東京および関東近郊の高校では、ひとつの高校で1000枚から1500枚位の求人票が届けられます。
求人票は、届けられた順に分類され、ファイリングされた後に生徒たちの目に触れることになります。
遅ければ遅いほど、高校生たちの目に留まる期間が短くなってしまいます。
私が採用活動代行を承っている企業の担当者は、朝イチ(というかハローワークの営業開始前)からハローワークに行ってくれました。
昨年までであれば、30分程度でハローワークの押印がついた求人票を受け取ることができ、そこから高校への挨拶まわりを開始できるのですが、アクシデントが発生します。
求人票の内容が間違っていたんですね。
求人票は、企業側が用意した原稿を、ハローワークの職員が手入力します。タイプミスしたのでしょう。担当者は、修正を依頼する列に並びますが、その列は当日求人票を持参した企業と同じ列!ハローワーク側のミスなのに、ひどい話です。
結局担当者は、修正をしてもらうだけで3時間も列に並んだそうです。
担当者の苦労が詰まった求人票を受け取り、私が挨拶まわりを開始したのは14時頃。
ひとつめの高校では、3~4社ほど面談を行っており、さらに私が訪れたときにも1社が受付をしていました。
ここでは、持参した求人票を事務職員に預け、面談をせずに失礼します。解禁日当日はアポの有無に限らず多くの企業が高校を訪問します。そのため、私は前週のうちに訪問予定の高校に電話を入れ、「解禁日当日に求人票を持参すること」、そして「面談が重なっているようであれば、求人票をお届けするだけとし、当日の面談はご遠慮すること」を伝えております。
このようにしないと、解禁日当日に多くの高校をまわることはできません。ただし、こういうことができるのは日頃から高校側、進路指導室の先生方と人間関係を築いておく必要があります。
ちなみに同校では、「当日飛び込みの会社様は面談をお断り」していたそうです。
そりゃそうでしょうね。
二校目、三校目は、どちらも面談を滞りなく行うことができました。
ただしどちらも進路指導室の主幹教諭ではありませんでしたが、私が訪問しているのを耳にした顔見知りの先生が、どちらも顔を出してくれました。これも普段から人間関係を築いているからこそできること。とても大切です。
四校目は定時制高校のため、21時まで面談可能です。私が訪問したのは19時頃ですが、余裕を持ってお話しすることができました。
例年だと、高校の進路指導室外の廊下に椅子が並べられ、求人票を持参した採用担当者が列をなして面談を待つ姿を見ることもあるのですが、今年はそういう高校はひとつもありませんでした。もしかすると、私のケース同様、スタートが出遅れた会社が多く、解禁日初日の混乱は軽減されたのかもしれません。
今年はどんな子が応募してくれるのか、楽しみです。