現在、とある企業からの依頼を受けて、在宅勤務のお手伝いをしています。
その過程で感じた、子育てママさんが働くことの難しさ。そして「叩き方改革」のキラーツールのひとつとして期待される在宅勤務(在宅ワーク)における課題について考えましょう。
まずは背景から。
今回、在宅勤務を行うことになった彼女は、5歳と2歳の男の子を抱える子育てママさんです。
もともと彼女と僕は旧知の間柄。前職でホームページの仕事をしていたとき、お客様だった方です。彼女が新卒で入社したときからのお付き合いなので、もうずいぶんと長いですね。
彼女はその後、広報から社長秘書に抜擢されます。一部上場企業の社長秘書ですから、とても優秀な方です。
僕があるお客さんから、「在宅勤務をお願いできる女性がいないだろうか...?」とご相談を頂いた際、最初に思いついたのが彼女でした。
彼女に連絡を取ったところ、すでに一社在宅ワークの仕事を受けているとのことでした。しかし、時間に余裕があるので、僕からの依頼もOKとのこと。
そんな彼女からお願いされた条件が、以下です。
- 在宅勤務が絶対条件。
- 週に3~5時間程度、働くことができればありがたい。
- 打ち合わせ等でオフィスに出向くことは、なかなか難しい。
土曜日など、旦那様が子供の面倒を見ることができるタイミングでないと無理。 - 勤務時間は、早朝4時から6時くらいがありがたい。
戸惑ったのは、条件4.ですね。
「相当無理して働いているんじゃないか....」
個人的な感情かもしれませんが、子育てや家庭を蔑ろにしてまで働きたいという女性は、お客様には推薦しにくいです。後々無理が祟り、「やっぱり働けません...」なんて言い出されると困るのはこちらですからね...
聞いてみると、彼女は21時には子供を寝かしつけながら、一緒に寝てしまうんだとか。そのため、ご自身が起床してから、ご主人とお子さまが起床するまでの早朝4時から6時というのが、自分自身の自由になる時間なんだそうです。
言われてみると、当たり前の話です。睡眠時間だって、6時間程度は取れるでしょうしね。
ただし、こうなるとちょっと困るのは、その彼女を(在宅勤務とは言え)雇用する企業の都合です。
普通の企業で普通の働き方をしていれば、早朝4時から6時に働くサラリーマンはあまりいません。仕事をする時間が重ならないわけですから、もろもろ困ることはあります。
- 仕事の指示はどうするのか?
- 出退勤管理はどうするのか?
- そもそも、その時間帯にホントに働いているのか、どうやってチェックするのか?
- いざリアルタイムに打ち合わせを行おうとすると、内勤者側の勤務が時間外になってしまう。
在宅勤務者をフォローするために、ブラックな働き方をせざるをえない内勤者が必要になるという矛盾...
いろいろとありますけど。
リアルタイムにお話しする、打ち合わせをする時間をつくることが難しいというのは、在宅勤務うんぬん以前の課題です。海外拠点との連絡などにも登場する、共通の課題です。
メール等、やりようはあるんでしょうけど、やはり直接の打ち合わせをすることに勝る方法はありませんからね。
今回は、「僕」という野良犬フリーランスを活用することで、課題には対応ができています。
しかし、在宅勤務を行おうとするすべての企業が、(誤解を恐れずに言えば)労働基準法の枠外にあるフリーランスに仲介を頼むのは現実的な選択肢ではありません。
今回の彼女は、早朝に働くことを希望しました。
しかし、夜、例えば家族が寝た後の0時から3時に働くことを希望する子育てママさんだっていると思うんです。
働き方改革、在宅勤務(在宅ワーク)、女性活用...
どれも希望と期待に満ちた言葉ですが、まだまだ超えなければならないハードルは山積みです。
雇用者たる企業はどうやって対応するのか?
働きたいという子育てママさんに対し、三者三様の「働くことができるステージ」が必要であれば、同じように企業側にも三者三様の「子育てママさん支援体制」が必要です。
悩ましいところですね。
以下、蛇足なのですが。
もし、「私も働きたい!」という子育てママさんがいらっしゃったら、お声がけください。
子育てママさんを求めるいくつかの企業からご相談を頂戴していますので、もしかしたらおチカラになれるかもしれません。
皆でHappyになりましょうね!
よろしくお願いします。